読んでおきたい名著 デカルト – 方法序説

こんにちは。講師の松本です。

梅雨入りしたと聞きましたが、まだあまり雨が降らず暑い日が続きます。皆さんいかがお過ごしでしょうか?

今回は高校生の皆さんにおすすめする本がテーマです。

この世には非常にたくさんの本があり、良い本というのも人それぞれだと思いますが、今回は筆者が高校生のときに実際に読んでよかったと思う本の1冊である『方法序説』を簡単に紹介したいと思います。

方法序説はフランスのルネ・デカルトが17世紀に書いた、近代科学の基本方針を定めたともいえる本です。デカルトといえば機械論やデカルト座標系、また「我思う、ゆえに我あり」などの言葉で有名な哲学者ですが、数学、物理学、哲学などの多岐にわたる分野で活躍した天才として知られています。

方法序説では考える方法を考察する

そんな彼は方法序説でいわば「方法を考える方法」を記しています。

デカルトの時代には今で言ういわゆるエセ科学のようなものがたくさん現れていましたが、まじめだったデカルトはそういった「学問」のあらゆる書物を素直に読みまくりました。読み尽くした結果、これらの「学問」のおかしさに気づき、このような状況を変えなければならないと気づいたデカルトは、科学的な考察を

  1. あらゆる偏見を排除し確実に真と言えるもののみを判断材料とし
  2. 問題をできるだけ細かく分解し
  3. 順序立てて思考をすすめ
  4. 最後にもれなく全ての見直しをして見落としが無かったと確認する

という手順ですすめなければならないと方法序説で定めました。またこの手順の繰り返しでこの世の中のあらゆることが解明できると確信しました。

理系科目を勉強しているとなんとなく気づきますが、これは科学の始まりと言ってもよいと思います。デカルトによればこの方法で宇宙のあらゆる法則が解明できるということです。そこまで言えるのかは疑問ではありますが、これほど前の人でもそこまでの見通しが立っているのだなと思うと素晴らしいですね。

上記の手法は現代を生きる私たちが聞くとなんとなくあたりまえのことのように感じるかもしれませんが、当時としては画期的なものだったようです。むしろデカルトのおかげであたりまえのことになりその影響が現在まで続いているのかもしれません。

現代でも役立つことがたくさん

デカルトの方法序説から、現在でも役に立つさまざまなことが学べます。

まず僕が気づいたのは、 2. 問題をできるだけ細かく分解する というのが数学の問題でめちゃくちゃ使えるということです。難しい問題も細かく分解すれば簡単な問題になるということは非常に多いです。このようなことは問題集の解説などでもよく言われますが、その源流は17世紀のデカルトの時代にまで遡るのかと思い感動しました。

日常生活にも役立つデカルトの考え方

次に、このデカルトの手法・態度は科学に限らず日常の場面でも使えます。
みなさんは、勉強でも部活でも何かを上達したい・究めたいと思った時まず何をしますか?
みなさんの中には、目先の期限に焦りを感じやみくもに努力してしまう人がいるかもしれません。僕もそういうタイプです。

しかし、前述したように様々な分野を究めたデカルトによれば、このような状況ではまず

  1. 自分を取り巻く状況に関する全ての偏見を排除し
  2. 上達するまでの道筋を細かな段階に分解し
  3. 各段階について順序立ててしっかりと考え
  4. 何か見落としがなかったか確認

しなければならないということになります。

やみくもに努力するのではなくまず冷静になって方法を考える、何に努力しなければならないか考える。これはあたりまえのように思えますが意外とできないことで、何かを達成するためには非常に重要なことだと思います。

方法序説は100ページ程度のペラペラの本ですが、上で述べたこと以外にもデカルトが当時決心したこと、神の存在証明(びっくりですね!反論はたくさんあるようですし、僕もいまいちピンときませんでした)なども載っていてとてもおもしろく、上で僕が簡単に述べた程度ではカバーしきれないような色々なことを考えることができます。

また僕が読んだバージョンには方法序説以外にデカルトが考えた心臓の動く仕組みなども載っていて、医学部生としてはかなり興味深いと感じました。(残念ながらその仕組みは現在考えられている仕組みと大きく異なるものですが…)

ページ数は少ないのに、内容の濃い良い本であり、ぜひお勧めしたい一冊です。
読んでみてはいかがでしょうか?

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